【工事中】メンタルの落ち込みの解消に一番効果的な行動活性化療法について
行動活性化療法とは、うつ病や双極性障害などのメンタルの落ち込みに対する心理療法の1つです。
とりわけ心理療法でも低コストかつシンプルかつ科学的に効果が高いのが行動活性化療法です。
心理療法とは、物理的また化学的手段に拠らず、教示、対話、訓練を通して認知、情緒、行動などに変容をもたらすことで、精神障害や心身症の治療、心理的な問題、不適応な行動などの解決に寄与し、人々の精神的健康の回復、保持、増進を図ろうとする理論と技法の体系のことである。(wikipedia引用)
心理療法にはさまざまなものがあり、例として
自分の考え方のゆがみに気づいて、それを修正していく認知行動療法や周りの人間関係が自分にどのように影響をしているかを理解し、人間関係を向上させる対処法を見つけていく対人関係療法や精神分析理論に基づきクライアントとカウンセラーの対話によって過去のトラウマを治療する力動的精神療法などがあります。
行動活性化療法はシンプルに自分が楽しいと思える行動を増やし、気分が落ち込むような行動を減らすような治療法です。
下図は効果比較の図です。
他の心理療法ではこれら療法の専門家が特別な訓練を積んで患者さんに治療を施す必要があるのですが、その単純さから簡単に実行できかつ上図の通り効果的なので気分の落ち込みを解消したい時は試して見る価値があると思います。
行動活性化療法では、うつ気分の原因は
自分が楽しいと思える行動をする機会(正の強化)が少ない、
または健康的な行動の減少(負の弱化または正の弱化)と抑うつ行動の増加(負の強化)であるとして、この療法の目的は正の強化を増やし、
負の弱化または正の弱化と負の強化を減らすことである。
1.行動の分析
そもそも行動とは「死人にできること以外すべて」と定義します。なので行動を「否定形」や「受身形」や「状態」で表現しません。例えば、「ご飯を食べない」「話しかけられる」「目を閉じている」は死人でもできるので行動ではありません。
正の強化の例
(きっかけ) (行動) (結果)
宿題が出た → 頑張って取り組む → 褒められる
負の強化の例
(きっかけ) (行動) (結果)
気分の落ち込み → リストカット → 気分が安定
正の弱化の例
(きっかけ) (行動) (結果)
学校に行く時間になる → 学校に行く → いじめられる
↓行動減少
学校に行く時間になる → 学校に行かなくなる → いじめられない
負の弱化の例
(きっかけ) (行動) (結果)
人に会う → 会話をする → あまり反応がない
↓行動減少
人に会う → 会話しなくなる → 反応を気にしなくなる
2.良い活動(正の強化)を増やす
3.悪い活動(回避行動=負の強化)を減らす
うつ病では健康的な行動
例:仕事・学校に行く,歯を磨く,顔を洗う,TVをみる,会話する
などが行えなくなり、
抑うつ的な行動(回避行動)
例:人を避ける,否定的な発言を繰り返す,自殺について考える,ベットの上でごろごろする
などが増える。
これは健康的な行動によって強化が生じず、抑うつ的な行動に負の強化/弱化または正の弱化が生じる環境にいるためである。
風呂入る行動ができない原因
寝る前→移動→好きなことを中断
(負の弱化)
寝る前→移動→眠い/だるい
寝る前→移動→脱衣→風呂→寒い
(正の弱化)
毎日髪をセットできない原因
朝→移動→好きなことを中断
(負の弱化)
朝→移動→眠い/だるい
朝→移動→髪をセットする→上手くできない
(正の弱化)
3.1. 回避行動の分析
TRAPモデル
(きっかけ) (反応) ← (回避行動)
↓悪循環 ↑
髪のセットが上手く行かない→ 憂鬱 → やらない
TRACモデル
(きっかけ) (反応) ← (代替行動)
↓ 気分が良くなる ↑
髪のセットが上手く行かない→ 憂鬱 → 朝食を食べる
参考文献
臨床行動分析と行動活性化療法
http://hikumano.umin.ac.jp/hosei/CBT10.pdf
うつ病に対する行動活性化療法――歴史的展望とメタ分析――
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/54/4/54_473/_pdf/-char/ja
行動分析学での「行動」の定義「死人テスト」とは?
http://startnext.start-line.jp/archives/3534
行動分析学用語集
https://www.workitout.jp/simamune/contents/s_baterms.html
行動活性化療法は短期でも十分に効果がある
気分の落ち込みを解消するもっともシンプルな方法
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/10/blog-post_85.html
強化スケジュール
http://koneko.cute.coocan.jp/psycho/intro/intro_19/index.html
行動活性化療法の理論と実際 うつ病に対する歴史ある最新の心理療法-
https://www2.slideshare.net/YusukeShudo/ss-79340519?from_action=save
認知行動療法の生物学的基盤
行動活性化療法の結果,扁桃体 や OFC,下側頭回,尾状核の有意な活動減少と DLPFC や dACC,被殻 などの有意な活動増加が示されている。
また正の罰による行動活性化療法によって OFC や
DLPFC,dACCの活動減少が示されている。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbpjjpp/23/3/23_171/_pdf